協会報（～239号）

市民ボランティアによる宅配サービス

2012年3月29日 11時06分 [管理者]

市民ボランティアによる宅配サービス藤沢市総合市民図書館　阿諏訪初美
今年度９月から開始された宅配サービスは、藤沢市の４図書館に隣接する５地区の方で図書館に来館することが困難な障害者・高齢者を対象に試行的に行っています。利用者は徐々に増えて、現在のところ、宅配利用者４４名、宅配ボランティア４０名で、１人のボランティアの方には、１名から２名の利用者に本の宅配をお願いしています。もちろん毎回同じ方が担当しますので、利用者も安心してお願いすることができますし、ボランティアも利用者の本やＣＤのリクエストの傾向などもわかるので、本などの宅配だけでなく、リクエストもその場で受け取ってきてくれます。はっきりした書名が出なくても、「こんな感じの本が読んでみたい」と言われれば、職員と一緒に考えています。個々の要望に応じた図書リストを作って、その中から選んでいただいたりもしています。もちろん図書館に来る利用者と同じように対応していただいていますが、もっと利用者との距離は近いかもしれません。ボランティアさんは図書館に近く、また利用者宅も近い方にお願いしているので、地理に詳しく自転車をどこでも走らせて届けてくれます。また、万歩計をつけていて、散歩にはいい距離だし、健康にもいいと言って歩いて届けてくださる方もいます。ボランティアさんは、図書館を利用している方がほとんどで本が好きなこと、読書の楽しみを分かち合いたい、なにか人の役に立ちたいという気持ちの方々ばかりです。図書館としては来館出来ない方に平等のサービスとして行っている宅配サービスですが、図書館を中心にボランティア・利用者・職員の関係が連携し、広まっていき、図書館運営に反映できればうれしく思います。利用者からの喜びの声もたくさん聞いています。図書館を利用できなかった方が多く宅配サービスを通してさらに利用者を増やせた事やモデル地区以外に利用を待っている方もたくさんいます。今後は市内全域に拡大し、市民の方の喜んでいる顔をみることがやりがいのあるサービスだと思います。さらに、地区に密接している１１市民図書室も宅配サービスの拠点として資料の受け渡しも考えています。ボランテイアさんの協力があっての宅配サービスです。市民と協働で考えるサービスを目指していきたいと考えています。